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今回の海外犬舎訪問は、最近米国でメキメキ力を付けている若手ブリーダーNO1のJoval犬舎のブリーダーValeriaさんです。彼女とは今年3月のJOKYL犬舎訪問時に偶然知り合いました。そして今年の9月に彼女の繁殖犬Am Ch Joval Jumpin' Jack Flash at Jokylが英国でJokyl犬舎のMaryの手によりチャンピオンを完成させたのを契機にインタビューを思いつき、メールを出してみたら快く引き受けてくれました。そのご紹介をします。

Q1.あなたの職業と家族について教えてください?
私は犬猫などの小動物の整形外科と小児科を専門とする獣医師で、5年程勤務医として働いています。現在自分の病院を建設中で、今年の11月の末には完成します。
私の家族は、8年前に結婚した主人のJohnと9頭のエアデール達、2頭の美しい猫達、そして一羽のカナリアと熱帯魚といった沢山の生き物たちで、毎日忙しくも、とても充実した生活を送っています。
主人のJohnは結婚前はサモエドを飼っていて、エアデールは初めてでした。でも彼はとても私を助けてくれます。ドッグショーに行くときの運転手、ホームページの管理など、素晴らしい仕事をしてくれます。

Q2.どのような環境に住んでいますか?日常の生活パターンを教えてください
米国バージニア州の北側、ワシントンD.Cから西に車で50分位の距離の田舎に住んでいます。今住んでいる家は、まさにエアデールやこれらの家族のためのものです。隣近所は一切なし。森の中の一軒家です。天気の良いとき、犬達は縦30m、横10mの芝生の生えた二つのパドックで運動します。天気の悪いときの為に家の脇にある3m四方の屋根付きのスペースが4つあります。また、仔犬たちは3m×6m屋根付きのスペースと小さな砂地の庭があります。

私のウイークデーの通常のパターンはこんな感じです。朝起きて、犬達の世話をして、それから私の食事。時間がないときは自分は抜き。そして仕事に行きます。普通私は1か2頭の犬を社会性を身につけるために一緒に病院に連れて行きます。また、ヘルパーを雇っていて、昼間はそのヘルパーが犬達の世話をしてくれます。
私が仕事から帰ったら犬達を外に出して一緒に遊んだり、トリミングをしたりします。そのあとでまず人間の方が先に夕食を食べ、そのあとで犬達に食事を与えます。

Q3.あなたの犬達は、普段はどこにいますか?
どの子もハウスドックになるチャンスがあります。でも9頭いますので一度に全部は無理です。通常2〜3頭だけを家の中で自由にさせ、残りの子達は家の中にあるケンネルです。そして一日おきにメンバーを交代します。このケンネルは1.5m×3mサイズで、中にそれぞれクレートが入っています。このクレートは昼間はいつも開けてあり、夜寝るときは彼らが安心して眠れるように閉めます。
でも、Zeta(Eng. Am CH Jokyl Flashback)だけは特別です。彼女はいつも私と一緒に私のベッドルームにいます。彼女は今でも我が家のボスなのです。

Q4.いつ頃からショーを始めましたか?きっかけは何ですか?
私は両親の仕事の関係でロシアで産まれました。その後イタリア、ドイツでも生活したことがあります。私は小さい頃からとても動物が好きで、特に犬が大好きでした。
私の最初のエアデールはロシアに住んでいた時のことです。私が11歳になった時、弟の代わりに一頭のエアデールを両親からプレゼントされました。私は彼と色々なことに挑戦しました。何にでもです。私はいくつかのジュニアクラスのショーに彼とともに参加しました。また、トレーニングやアジリティも一生懸命勉強しました。
大学と獣医師学校に行くために、私は一時これらのショーやトレーニングを中断しましたが、獣医師学校の最後の年に、私は再びショー活動を開始し、卒業時には新しいJoval犬舎の基礎犬となる牝犬を持つことができました。

 

Q5.誰がトリミングをしますか?またハンドラーはどうしますか?
私が全ての犬をトリミングします。またハンドリングも自分でします。ただ、時間的にどうしても自分でショーに連れて行くことが無理な場合、プロハンドラーに依頼します。
新しい病院のスタートでしばらくはとても忙しくなるでしょう。だから当面はプロハンドラーに依頼するケースは今まで以上に増えるでしょう。ただし、私はショーの楽しさを教えるために、特に若犬達にはいつも私自身が必ずハンドリングをします。ショードックとして成功するためには、この点は非常に重要なことです。
米国には沢山のショーがあり、毎週どこかでショーをやっています。大きいのも小さいのもあります。私はたいていエアデールテリアの単独展かテリア展に出陳するようにしています。あまりオールブリードショーには参加しません。

Q6.これまでにどの犬が最も印象的でしたか?
私にとっては全ての子が、それぞれ印象的です。
Joval犬舎の基礎犬はZeta( Jokyl Flashback)です。私は彼女を英国で見て一目で好きになり、どうしても欲しくなりました。Jokyl犬舎のMaryとOliveを説得するのに、かなりの時間がかかりました。でも彼女が米国に来てアメリカチャンピオンを完成させるのにはそんなに時間はかかりませんでした。彼女が獲得した賞歴のなかで最高のものはモンゴメリー展の期間中に開催されるデボンショーでの勝利です。沢山の彼女の子供たち、また孫たちがショーリングで成功を収めています。その一例を紹介しましょう。

CH Joval Angel Fireは、昨年のモンゴメリー展でリザーブウイナービッチとなりました。CH Joval Fire Crackerは、グループポイントで全米NO3の座を獲得。CH Joval Never Say Neverは、カリフォルニアで開催されたエアデールテリア・ナショナル・フローティングスペシャリティで見事ベストインスイープステークスを獲得しました。また、彼女は翌日のサウザンカリフォルニア・スペシャリティでウイナービッチとなりました。そしてその一週間後、ウイスコンシン・エアデールテリア・スペシャリティでBOBを獲得しました。2005年には、CH Joval Dream Makerがわずか16ヶ月でチャンピオンになりました。CH Joval Light My Fireは、沢山のBOBを獲得しました。
これから先も、Jovalのエアデール達は栄冠を獲得し続け、チャンピオンリストに新しい名前が書き加えられることでしょう。

Q7.ブリーディングについて。一年間に何回くらい繁殖をしますか? あなたのブリーディングに対する考え方を教えてください。
繁殖回数に関しては、私の仕事の関係で色々変わります。でも、平均すれば年2-4回といったところでしょう。
私は繁殖をするときには、素晴らしい気質と健全な動作を持ち、正しいタイプ、そして健康的であることをいつも心がけています。
特に気質はとても重要です。毎日犬たちと一緒にいて、その生活を楽しむことができなければ、それは私にとって何の価値もありません。また、ペットとして仔犬たちを迎え入れる新しい家族達のことについても当然考えなければなりません。

私はショーリングでエアデール達の美しい動きを見るのが大好きです。ごく自然に流れるような動作を見せる犬がいれば、私の目はそれに釘付けになるでしょう。健全な犬は正しい骨格構成を持ち、同時に素晴らしい動きを見せるものです。
その血統の持つ特徴を無くしてしまうような繁殖はしません。正しい尾の位置、良く傾斜した肩、良いアンギュレーション、美しい頭部と表情を持ったエアデールを見るのはとても楽しいことです。 最後に、私はできる限りその犬の血統の過去を調べて、健康面での問題を取り除くように心がけます。私はこれまでに繁殖した犬達から多くのことを学びました。

Q8.Jokyl Flashbackがあなたの犬舎の基礎犬ですか?彼女を輸入したきっかけは何ですか?
以前のラインは、私が学生だった頃にとぎれてしまいました。だからショーやブリーディングをまたできるかどうかとても心配でした。そんな時、たまたまイギリスに行った際にZeta(Eng. Am CH Jokyl Flashback)を一目見て好きになりました。 彼女を売ってくれるようにMaryにすぐ頼みましたが、説得するのにかなり時間がかかりました。でも、その価値は十分にありました。彼女はCh Jokyl Gallipants、Ch Ginger Xmas Carol、Ch Jokyl Lucky Strikeなどの歴史を飾った名犬たちの孫です。彼女は正しい骨格構成と、とても美しいアウトラインを持っています。彼女の動作は実にスムーズで、また素晴らしい気質を持っています。彼女は何年も何年も私にとって本当に最高の相棒です。彼女を送ってくれたMaryとOliveには言葉では言い表せないくらい感謝しています。

Q10.エアデールの魅力は何ですか?
エアデールは誰でも合う犬種ではないでしょう。でも、私のパーソナリティにはとてもフィットします。私は、彼らの大きな心と献身的な愛情、そしてユーモアのセンスが大好きです。彼らはいつもふざけっこをして、私を笑わせます。

Q12.あなたの夢は何ですか?
確かに、クラフトやモンゴメリー展、ウエストミンスターなどの大きなショーで勝ちたいとは思いますが、でもそれが全てではありません。私にとっての本当の夢は、美しいバランスを持った犬たちを繁殖する事です。この先何十年もの間、クオリティーの高い犬達を繁殖してショーリングで成功を収めていくことができたら最高です。
今私はエアデールテリアのジャッジ資格を取るための勉強中です。私の夢は、ジャッジとして世界中のエアデール達を審査することです。

Q13.最後に日本のエアデーラー達に一言メッセージを下さい。
ATCJからインタビューを受けたことをとても感謝しています。日本のエアデールラバーズによろしくお伝え下さい。いつか、美しい日本を訪問して、あなた方の美しいエアデールを見てみたいと思います。