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今回の海外犬舎訪問は、エアデール歴38年、この間実に60頭以上のチャンピオン犬を作出した米国の有名犬舎BrislineのオーナーGeorgia Mcraeさんです。最愛のエアデールたちと楽しい毎日を送っているGeorgiaさんの過去の歴史、毎日の生活ぶり、そしてブリーディングなどについて色々話を聞いてみました。

Q1 あなたの職業は何ですか? あなたの家族について聞かせてください。
私は生理学の修士号を持っていて、自然科学者としてSytex社という製薬会社に31年間勤めていました。会社では主に女性の生理学に関する研究を行い、色々な薬を開発してきましたが、9年前にこの会社をリタイアしました。
私は30年以上結婚生活を送っていましたが、7年前に夫を亡くしました。私たちには子どもはおらず、今は一人で生活をしています。犬のショーイングとブリーディングは38年間続けていて、おかげでとても忙しい日々を送っています。

Q2 貴方の日常の生活パターンについて教えてください。
リタイアしてからは、自宅で犬のグルーミングをサイドビジネスとして週に5日間、午前中だけしています。ほとんどがハンドストリッピングですが、ときにはバリカンで刈ることもあります。扱う犬はテリアだけです。お客さんは8週間から10週間毎に定期的に訪れます。午後と夜は家や庭の仕事をしたり、友達と連絡を取り合ったり、もちろん自分の家の犬達の世話もしています。それらの仕事はフルタイムで働いていた時よりたくさんあります。

Q3 貴方はどのような所に住んでいますか? 
私は北カルフォルニアの住宅街の中の0.5エーカー(約600坪)程の土地に住んでいます。周りはすべて家が建っています。32年間同じ家に住んでいます。
私は、アメリカでよく見る細長い運動場が横に何本か並んだようなケンネルを持っていません。我が家の運動場はすべてコンクリート敷きで、フェンスで2つの囲いに分かれています。私の場合、長年の経験から砂利や芝生よりコンクリートの方が使いやすいことに気づきました。普段、私の犬達は全員そこにいます。そして私が家の中にいる時は、少なくとも1頭は家の中にいます。クレートはガレージにあります。
この他に、グルーミングのための部屋や出産用の部屋は別にあります。庭にはプールがあるため、犬達は私が見ている時だけ庭で遊ぶことができます。そして、私の家は丘の上に建っていて沢山の階段があります。彼らはこの階段を上ったり下りたりしてしっかり運動しています。

Q4 今何頭のエアデールがいますか? 彼らは普段どこにいますか?
犬の数はしばしば変わります。私はいつも成犬は3頭以下にしたいと思っていますが、それは容易なことではありません。現在は3頭のエアデールの成犬と1頭の仔犬が家にいます。
私はこれまで犬を共同所有(co-owning)するというやり方で、多くの成功を収めてきました。その共同所有者(co-owners)は出来るだけ近くに住んでいる方が望ましいでしょう。近くなら自分の家に連れてきてグルーミングしたり、ショーに出すことができます。私はそういったやり方でこの20年間ぐらいはうまくやってきました。共同所有(co-owning)システムは、自分の家に置く犬の数を増やすことなく、その犬に良い家庭を与えてやることが出来る素晴らしいやり方です。
私はいつも日中は1頭を家の中に入れて、他の犬はドッグランか、私がグルーミングしている間はグルーミングルームに入れておきます。夜は2頭はいつも私といっしょに寝室で寝ます。他の犬はガレージのクレートの中にいます。犬たちは夜は絶対に外にはいません。

Q5 いつ頃からショーを始めましたか? 
私は子どもの頃から、いつかはショードッグが欲しくなるだろうと思っていました。母も好きで、私を地方のドッグショーへ毎年連れていってくれました。そして、私はすべての犬種やそこで繰り広げられる審査に魅了されていました。当時、私たちは2頭のウェルシュテリアを飼っていました。だから私はその容貌に見慣れていましたし、テリアの気性が好きでした。
初めて私が自分の犬を持てるようになったのが1968年のことです。当時、信頼できる気性を持ったより大きな犬が欲しかったので、私は躊躇することなくエアデールを選びました。私自身とても負けず嫌いな性格でしたので、最初からグルーミングやショーイングを自分でしてみたいと思っていました。それで私は最初からその当時ショーで成功していたブリーダーから直接エアデールを買いました。
 そのブリーダーはWilma Carter (Dandyaire Airedales) で、彼女は私にグルーミングやショーイング、ブリーディングについてたくさんのことを教えてくれました。私は今もこうやってショーやブリーディングをやっているのですから、これらが元々好きだったに違いありません。

Q6 誰がショー用のグルーミングをしますか?ハンドラーは誰がしますか?
長年にわたって私はいつも自分で自分の犬をグルーミングして、そしてショーでも自分でハンドリングしてきました。私の夫は車への荷物の積みおろしや、ショー会場でトリミング道具や犬のクレートを運んだりと、いろいろ支えてくれました。
私がチャンピオンとしてどうしてもキャンペーンをしたかった素晴らしい犬を持っていたとき、ハンドラーに頼んだことが2、3回ありました。それは毎週末ショーに出さなければならなかったからです。
近頃は私も年を取ってきたので、牡犬の場合は彼らがチャンピオンになる前のクラスであっても、ハンドラーに頼んでいます。私は身体が小さいので、牡は私がハンドリングするには大きすぎて力が強すぎるのです。でも今でも牝は自分でハンドリングします。私がいつも頼んでいるハンドラーはWood Wornallです。彼は最高のハンドラーでしょう。

Q7 貴方はこれまでに沢山のチャンピオン犬を作出していますが、その中で最も印象的な子は誰ですか?
本当にこれは難しい質問です。私はこれまでに60頭以上のチャンピオンをブリーディングしてきました。その中でたった1頭を選ぶなんて難しいです。
牝の中では、心情的に一番好きな犬は“Beans” (Ch. Sunnydale HoRay For Brisline)です。彼女は私がブリーディングした犬ではありませんが、彼女は私のブリーディングプログラムに重要な影響を与えました。また彼女を見た人は、みんな彼女を思い出すほどよくショーに出ていた犬でした。私にとって初めてのモンゴメリ展は1978年で、その時出した犬がBeansでした。そこで彼女はなんとBest in SweepstakesとBest of Winnersの二つのタイトルを取りました。
このBeansに続く私の素晴らしい牝犬達はCh. Brisline's Inspiration(彼女は12頭のチャンピオン犬の母犬です)、それからあと3頭、Elsbeth of Brislineと Look'n For Trouble, Nice Catchです。彼女たちもすべてモンゴメリ展でBest of Winnersを取っています。Ch. Brisline's Nice Catch はモンゴメリ展で優勝したあとオーストラリアのSorraghan夫妻(Old Iron犬舎)のところへ行きました。彼女はオーストラリアでもいくつかのBest in Showを獲得し、そして2世代あとの子孫にはここ2年ほどアメリカで素晴らしい成功を収めたAm&Aus Ch. Old Iron Margaret River(つうしん2006年夏号で紹介済み)がいます。

牡に関しては、私のこれまでの繁殖犬の中で“Rudy” (Ch Brisline's Lady's Man)という子がいます。彼は米国エアデール界においてとても大きな影響を与えました。なぜなら彼は“Felix” (Ch. Terrydale's Int'l Affair)の父犬だからです。Felixといえば、アメリカのほとんどのエアデールの血統書のどこかに登場している犬です。私たちはRudyをキャンペーンをしませんでしたが、彼は元気いっぱいのショードッグで、素晴らしい家庭犬でもありました。
“Caesar” (Ch. Brisline's House Special) と “Roger” (Ch. Brisline's Running Back Roger)の2頭についてはキャンペーンをしました。そして彼らは期待通り1994年と2001年にそれぞれ全米#3のエアデールとして評価されました。Caesarは夫のお気に入りで、家族の一員でした。そして、今はRogerが私の相棒です。最近イギリスで活躍している“Bill” (Ch. Brisline’s West Coast Offense)は2005年にモンゴメリ展でBest of Winnersを獲得し、その後イギリスに行き、今年すでにチャンピオンを完成しました。

Q8 年に何回くらい繁殖をしますか?貴方の繁殖に対する考え方を聞かせてください。
長年にわたり、私は平均して1年に1回以下のブリーディングしかしていません。それぞれのブリーディングに自分の考えを反映させたいなら、そのブリーディングプログラムは非常に限られたものになるでしょう。
まずブリーディングしようとするあなたの牝犬を客観的に評価することが大切です。彼女の長所と短所は何かを良く理解して、これを牡犬を決める際の検討条件とすることです。私はまたすべてのチャンピオン犬がブリーディングされるべきだとは思いません。
またラインブリードとアウトクロスをうまく組み合わせて、つまりそのバランスをうまく取ることが必要です。成功するブリーダーになるには、仔犬を客観的に評価でき、自分のラインを改良することができる犬を残すことが必要です。

Q8 貴方はエアデールのどこが好きですか? 
私を最も魅了させるものは、エアデールの社交性、愛情、そしていつも信頼できる気性でしょうか。さらに付け加えるとするなら彼らの容貌です。 私は彼らがグルーミングが必要だというところが好きなんです。同じ犬が可愛らしいモコモコのテディベアのようになったり、スタイリッシュでエレガントなショードッグになったりします。私はどちらの姿も好きで、グルーミングによって変身するのを見ることも楽しんでいます。

Q9 貴方のこれからの夢は何ですか?
私はブリーディングもショーイングも好きで、私の目標はいつもそれぞれのブリーディングでより素晴らしいエアデールを創り出すことです。もちろん私はアメリカでBest in Showを取りたいと思いますが、もっと私にとって大事なことは、ブリーディングやコンディション、ショーイングを競い合ったり、その過程で素晴らしい友情を作っていくことです。

Q10 最後に日本のエアデール愛好家へ一言
世界中にエアデールを楽しんでいる人々がいることはとても素敵なことです。 エアデールを飼い始めた人々には、私のようにエアデールをだんだん愛するようになることを願っています。そしてグルーミングやショーイング、ブリーディングも、私が30年以上も楽しんだように、もっとたくさん楽しんでください。 皆さんがカルフォルニアのドッグショーやペンシルバニアのモンゴメリ展に来たら、どうぞ私を見つけて話しかけてください。