オビーディエンスが終わると、午後からは同じ場所でスイープステークスが始まります。私はその間にNancyといっしょにサンドイッチを買って食べ、ショッピングを楽しむことにしました。この広いホテルの裏庭には様々なブースが出ています。エアデールテリアクラブ、レスキュークラブ、ワーキングドッグなど各グループがオリジナルなエアデールグッズを販売しているのです。それは見ているだけでも楽しいのですが、私は欲しいものがいっぱいあり困ってしまいました。でもまだ明日のモンゴメリショーでも売店がありますから、それほどたくさんのものを買うわけにもいきませんでした。
スイープステークスはMr.Les Leuckの審査で行われました。このショーは18ヶ月未満の若い犬が競います。一方ベテランスイープステークスは7歳以上の犬で競い合います。入賞者にポイントはつきませんが、1席から4席までの入賞犬(パピーは3席まで)には、それほど多くはありませんが賞金が出ます。出陳犬の中にはDevonショーとかけもちで出ている犬もいて、午前中にDevonへ行って午後から大急ぎでこちらへ来ます。
若い犬たちの出番が終わり、ベテランスイープステークスになりました。リンクにはヨタヨタした足取りで、コートも白っぽいいかにも老齢の犬がハンドラーといっしょに立っています。思わずプログラムを見ると、なんと誕生日は1990年5月、14歳ではありませんか。私は心から驚きました。他のベテランクラスに出陳している7歳ぐらいの犬たちと並ぶと、本当にヨタヨタして走るのもままなりません。いつの間にか私もNancyも涙がポロポロこぼれてきました。かわいそうと思ったのではありません。うちには12歳の牝が、Nancyのところには14歳の牝がいます。二人ともいつもこの年いったエアデールのことが心配でなりません。 だからこのショーに出ている14歳の牝を見てうらやましくもあり、ブリーダーでありオーナーであるハンドラーの誇らしげな表情に心から感動して、勇気をいただいたのです。そしてここでもやはり犬が“主役”なんだと感じました。ショーに出るということは「いっしょに何かを成し遂げる」ということだと思います。ひとりひとりショーに出る目的は違っていてもすべての人が受け入れられ、すべての人が楽しめるようにしたいと思いました。 もちろん、彼女の姿は会場を拍手の嵐に包み込みました。私は密かに今度の本部展にラフティ(12歳)を出そうと考えていました。
スイープステークスが終わったところで、エアデールキルトの抽選が行われました。これは、20人もの人々によって作られたもので、私達は一口5ドルのくじを買うことができます。私は事前にインターネットで50ドル分買っていましたが、さらにここへ来て30ドル買い足しました。この収益は全てがエアデールレスキューに寄付され、レスキューされたエアデールの犬舎維持費用、獣医代、グルーミング代などに使われます。観客の前で抽選が行われ、残念ながら私ははずれてしまいましたが、彼らの暖かい思いが詰まったキルトを実際に見ることができて良かったと思いました。
すべてのショーが終わると、きれいな場所に花が飾られ優勝者や入賞者たちの写真撮影が始まります。私も横からいっしょに撮影させていただくことにしました。私はいつもクラブのショーで写真撮影を担当しているので、カメラマンの動きがとても興味深いものがありました。犬の写真撮影というのは本当に難しく、いつもその犬のベストの状態を撮りたいと思ってはいますが、なかなかそのチャンスを捕まえるのは容易ではありません。 そのカメラマンは本当にねばり強く、何度でもハンドラーやトリマー(横でコームを持って待機しています)に細かい指示を出し、犬がだらけてくると再度歩き直してからまたステイさせるということを繰り返しました。その間後ろで立っているジャッジやクラブの会長はそのままずっと立っていなければなりません。しかし誰もイライラすることもなく、犬が最高のポーズをするまでみんなで待っていました。このあと紹介する写真はその時に撮ったものですが、もしあなたがこれでも最高のポーズ?と感じたならば、それは私の腕のせいで、最高のシャッターチャンスを逃してしまったのでしょう。
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