今年も世界最大のドックショークラフトが、3月8日から3月11日の4日間、英国バーミンガム市で開催されました。クラフトは一年ぶりの訪問です。テリアグループは10日土曜日の開催でしたので、今回は金曜日の夜にバーミンガムに入り、土日の2日間ゆっくりとショーを楽しみ、月曜日と火曜日にフランクフルトで仕事をして帰るというスケジュールを組みました。
エアデールの今年のエントリー数は101頭でしたが、特にロシアからの出陳頭数の多さが目に付きました。また、観客も非常に多く、通路などは人でごった返し、前に進むのに人をかき分けて行くといった具合でした。観客のほうもロシア人の多さがやたら目に付きました。
今年のクラフトのハイライトは何といってもAM.CH JOVAL ANGEL’S KISS (コールネームKrissi)のベストオブブリード(BOB)です。
彼女の父親はAMCH.EVERMAY'S HIGHPERFORMANCEで、2005年頃からアメリカで圧倒的な強さを見せています。母親はAMCH.Joval Angel Fireで、JOVAL犬舎の基礎犬でもあるEng & Am CH Jokyl Flashbackの娘です。
JOVAL犬舎は昨年の“つうしん32号”でも紹介しています。獣医師であるDr.Valeriaによるオーナーハンドリングです。オープン牝組で最初に全犬がリングに並びますが、その時のKrissiとValeriaのコンビは実に見事でした。ベストパートナーとはまさにこのことを言うのでしょう。Krissiは完全にValeriaを信頼しきり、その姿は生き生きとしており、すばらしいテンペラメント(気質)をリングで如何なく発揮していました。審査員が一瞬釘付けになったのが私にはよく分かりました。KrissiのBOBは観客の誰をもが納得することができたことと思います。
Valeriaにはもう一つ驚かされたことがあります。普通ならここでイギリスチャンピオンを狙って、Krissiをそのままイギリスに置いて帰る人が多いと思いますが、彼女はそれをしませんでした。後から彼女からその理由を聞いてみました。その答えはこうでした。「Krissiはホームドックです。彼女(Krissi)と私はいつも一緒です。だから、英国に来るときも一緒、帰るのも当然一緒です。私には彼女を一人でケンネルに預けることなど絶対に出来ません」。
今回のクラフトでは、骨格構成だけでなく如何にテンペラメントが重要かを改めて再認識することができました。また、犬とオーナーとの関係とはどうあるべきか、そしてドッグショー参加の理想の姿を改めて見せてもらいました。 |